林檎

二重生活の林檎のレビュー・感想・評価

二重生活(2016年製作の映画)
3.2
雨降るジメジメ梅雨の夜に鑑賞。それに似た質感の作品。
前半のジットリから徐々に少しだけ清々しいような感覚を思った。きっとピアノのキレイな旋律や色んな着地が重なっていったからだろう。でもタイトルの赤文字とエンドロールの音楽の組み合わせといい、対象的なものを並べるなぁ。

映像は結構好みで、特殊目線も案外心地いい揺れだったり、対比のような表現された“視線を痛烈に味わう”監視カメラとのコントラストなどそれぞれのシーンへのこだわりを感じた。

ただ哲学ゆえの難しさなのか途中から意味・目的を見つけようと左脳使って腕組みしながら観続けてた。鑑賞後の考察を楽しめるともとれるけど、それよりスマートさがあってもいいように思う。

私個人として、接触せずに追体験しながらも最終的に対象者と交わり“重なった”ときに化学反応が起こる。メインの登場人物は浮気、尾行、代行、役者として自分ではない別人生の追体験は全員経験してることになるよなきっと。
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