ヒロオ

二重生活のヒロオのレビュー・感想・評価

二重生活(2016年製作の映画)
5.0
心の奥底が空っぽだという女性が尾行を通して自分の事を分かっていく物語。

女性はどうも哲学科の修士課程で論文を書こうとしてて、テーマは「実在を実感する経験と時間」
それを無作為に選んだ人を尾行してつかんで論文を書く。

良いところがたくさんあって書ききれない。
まず、大学教授に尾行を進められて、尾行する事を決めたシーンでそれまで空いていたドアが勝手にしまる映画的演出が○
もう逃げれない、ってことだよね。

ラブホのシーンは主人公が過去と尾行によって自分のことを分かっていくことが語られるけど、男にはっきりお前の過去はつまらないって返されるところは重い。
男が編集者で実績があるから主人公の過去、物語を否定するのに重みがでる。

他にも山ほどいいところがあるけど、他者を尾行して相手の立場になって理解することで自分の事を理解しようとする結論をはっきり表現してることがいいし、尾行が映画表現としてミステリアスであって居ると感じた。
ヒロオ

ヒロオ