人間の中に色んな人格があるからこそ、永久に全てを知るのは難しいということ。
それが分かっていないから対象に執着するし期待する。変化球がきたら怯えて【お前ってそういう奴だったんだ】なんて、エゴで不憫だなって常に思うのです。
他人を覗き見してるうちに、自分の事が分からなくなってしまう主人公の心情。しかし珠が見つめる珠と、卓也が見つめる珠、教授から、近所のおばさんから、石坂から…〝永遠に知らない〟そのもの。
リリーフランキーは本当に気持ち悪い人だけど、劣らないくらい門脇麦はいい感じの匂いを出す人だった。
特にギミックのないシンプルな構成だったけど、もう一度どこかで見たくなる。どこにでもある凡庸な同棲生活から描写されたのに、最後にポツリと残った言葉の羅列は印象的。