こうだい

二重生活のこうだいのレビュー・感想・評価

二重生活(2016年製作の映画)
3.3
尾行されている…?!

しかも理由無く……。

逆にそれってめちゃくちゃ怖い事じゃないですか?

【解説】
『愛の渦』『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』などの門脇麦を主演に迎え、小池真理子の小説を映画化したサスペンス!
抑え切れない好奇心から、近所の既婚男性を尾行することにハマっていく主人公を描写する!
ヒロインを取り巻く男性たちを『鈴木先生』シリーズなどの長谷川博己、『そして父になる』などのリリー・フランキー、『共喰い』などの菅田将暉ら豪華キャストが熱演。
緊張感あふれる展開に引き込まれる!

【内容】
大学院に通う25歳の珠(門脇麦)は、19歳のときに遭遇したある出来事をきっかけに長い間絶望のふちをさまよっていたが、最近ようやくその苦悩から解放された。彼女は一緒に住んでいる恋人卓也(菅田将暉)と、なるべくもめ事にならないよう、気を使いながら生活していた。あるとき、珠は恩師の篠原(リリー・フランキー)から修士論文の題材を提示され……。

中盤までは完全に予想通りの展開だったが、尾行がバレた後の二転三転するストーリー展開はまあまあ面白い。だが、幾つか盛り上がりはあったが、どれも傍観している主人公の視点で描かれる為、一つ一つの盛り上がりが小さく感じられ、淡々と進んでしまった印象。また、テーマが「哲学」なだけあって、ラストも小難しくなってしまった様に感じる。

時折り入る防犯カメラの映像は、主人公が自分の生活も忘れ、他人の生活に没入する生活(まさしく二重生活)を送る中、なにかハプニング(予期せぬ事態)が起きるたびに挿入されている。防犯カメラは客観的な視線を持っている。つまり、意図としては、主観でしか考えられなくなっていく主人公を、僕ら視聴者はあくまでも、そのシーンが入るたびに俯瞰して見れる様にする為であると考えた。

解釈の仕方が難しいが、僕は、人は皆二面性(多面性)があり、それは自己防衛の為、すなわち己の精神的な苦しみを少しでも緩和させる為にある、という解釈をした。
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