イチロヲ

Four Lions(原題)のイチロヲのレビュー・感想・評価

Four Lions(原題)(2010年製作の映画)
3.5
イギリスに滞在しているムスリムの青年たちが、互いに反目し合いながら爆破テロの準備を進めていく。テロリストの言動を「滑稽なもの」として捉えている、ブラック・コメディ。

成功と失敗、その両方とも「神の思し召し」で済ましてしまう人間たちのジタバタ劇。聖戦の理念をマトモに考究することもなく、とにかく「テロを遂行させなければならない」という気持ちだけで突っ走る。

屋外に漏れまくりの談合、頭を左右に振ってカメラ対策、カラス爆弾でカミカゼ特攻、着ぐるみの中に爆弾を仕込んでマラソン大会に参加。これらテロリストの奇行を、コメディ演技ではなく、徹底したシリアス演技で描いていく。

「傍から見ると変人なのだけど、当人は真面目にやっている」という構図が風刺コメディを引き立たせている。主人公がテロ行為に疑問を持ち始めてからの、シニカルな畳み掛けが見応えあり。
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