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弁護人のmofaのレビュー・感想・評価

弁護人(2013年製作の映画)
4.0
光州事件の後の話になるようです。
こちらも、実話ベースで、
なんと主人公ウソクは、ノ・ムヒョン元大統領なんですって。
前半は、やり手で裕福で、ヨットが趣味の弁護士パート。
軽いノリで、ちょっと笑えたり、
陽気なソン・ガンホ様が面白い。
もうね。前半と後半のテンションが、
こんなに違うの???ってビックリするんだわ・・・・。
駆け出しの頃にお世話になった食堂の息子ジヌが、学生運動の事件に巻き込まれて逮捕されてしまってから、
映画の雰囲気がガラリと変わっていく。
 面会に行った時、ジヌは明らかに拷問を受けていたようです。この拷問シーンが酷すぎて。。。演技だけで、精神削られるやろうな・・・って感じなんですよね。この作品は、ソン・ガンホ様の言わずと知れた演技力が光ります。
軽妙な弁護士、金儲けの手段として、
弁護士をしている男が、拷問で自白を強要されたジヌと出会って、
徐々に顔つきが変わっていく感じが、
本当に素晴らしいんですよね。
なんとなく、前半パートが長く感じるかも知れないけれど、その前半があるからこそ、ソン・ウソクという人間の心の動きが緻密に描かれているし、
人間は信念を持ってこそ、輝くのだという事を、感じさせてくれるんだと思う。

そして、我らがシワン様ですよね・・・
映画のデビュー作になりますけど。
末恐ろしい感じがしますよね。
 ソン・ガンホ様に負けていない、繊細な演技が、素晴らしいんですよね。
まだ事件の起こらない、定食屋の息子
朗らかで、明るく、母思いの優しい青年が、急に逮捕されて、拷問を受け、
精神が壊れてしまう。
 そして、全てを諦めた虚ろな青年になってしまう。そこから、ウソクと出会い、彼の信念に導かれて、
自分自身の中にも、勇気が芽生えていく。
この3ツの段階をね。
特段、大きな台詞もなく、劇的な変化もなく、ほぼ、目の演技で表現してるんですよね・・・・。そりゃ、アイドルだけど、俳優として引っ張りだこになるわな・・・
 そして、この2人を中心として、脇にもしっかり素敵な方々が。
イ・ソンミン様が新聞記者役で。
始めはウソクを軽蔑していたけれど、彼の行動を見て、記者として力になろうとするんだよね。シャツ交換のシーンは、無言だけどさ~
ココもね~。胸アツだよね~。
こう、言葉には出さないけれど~ってヤツですよ♡

韓国の実話ベースの映画を観て、
現実ってヤツが、本当に怖い・・・・と震える事、度々です。
 しかも、1980年という、そんな遠くない過去なんですよね。
結局、光州事件で取り締まりが更にキツくなって、こういう事が起こったのかな。
 理不尽で納得いかないけれど、最後は、少し希望が見れたかな。
こういう人達の信念と勇気が、時代を変えてきたんですよね・・・・
 こういう時代を越えて、今の韓国があると思うと、ずっしりと歴史の重みを感じます。
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