Hotさんぴん茶

弁護人のHotさんぴん茶のネタバレレビュー・内容・結末

弁護人(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

シンプルに感動した。
人の正義は報われる。捨てたものじゃない、と希望を持てる話だった。
主人公が、悪徳権力に立ち向かう姿が熱い。
主人公が悪役を打ち負かした時や、非協力的な仲間が主人公を認めてくれた時など、やった!と思わずガッツポーズになった。

公安による拷問シーンは酷過ぎて、直視するのが辛かった。でも実際の場面では、この非ではない酷さなんだろう。言葉にならないほど恐ろしい。手で画面を隠しながら、指の隙間から見た場面すらあった。
よくあんな卑劣な虐待の横で食事できるな、と刑事たちの異常な集団心理にはゾッとした。

悪玉トップとも見える刑事には、どうあがいても好感は持てないが一箇所だけ人間らしさを垣間見た。
それは法廷にて、拷問したことを認めろ!!と主人公から至近距離で詰め寄られていたシーン。このとき、この刑事も大声で言い返しながら涙目になっていたのは気のせいか?ここでは、彼にも人の心があったのか…。と面食らった。
きっと、この刑事のこれまでの悪業の数々は彼なりの愛国心で行なっており、彼なりの正義なのかもしれない。もしかしたら彼より大きな悪が存在しているのかもしれない。

でも同時に、だからといってそのようなことは許してはいけない、と強く思った。長いものに巻かれておれば何をしてもいい、なんて心理がこの腐った制度をのさばらせたのだから。

見た後にネットで調べていたら、この作品はノ・ムヒョン元大統領の実話を元にしてると知った。

またこのような事件は韓国に留まらず、どの国でもありそうだ。それも過去に留まらず今でも…。これを機に調べようと思えた。
見応えがあり、またとても勉強になる映画だった。
見て良かった。