明月

最愛の子の明月のネタバレレビュー・内容・結末

最愛の子(2014年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

途中、育ての親の母親の傲慢さに腸が煮えくり返った。
子どもを奪われた親のことをまるで考えないその傲慢さは、知識がなく、素朴な欲望に忠実だからだ。
考えないというのは、罪なのだなと思う。

けれど、そうなるのは、環境がそうだと言うだけで、彼女自身の罪なのか?と言うとそうではない。
それが悲しい。

実際の親子は、顔がそっくりで、やはり親子なのだなと思う。
なんであれ、自分の意志ではなく、無理やり引き裂かれる経験は、人に無惨な傷を残すのだ。

子どもが無理やり連れ去られることのない世の中になってほしい。


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ポンポン3歳。
父と母に可愛がられて大事にされている。
ティエンをパパと呼ぶポンポンが可愛い。
父と母は離婚して、親権は父が持っているようだ。
ママとは毎週面会している。
おでこにキズがあるポンポン。
後に残るかもと。

ある日、幼稚園の前でママの車をみつけて、追いかけてしまうポンポン。
しかし、ママはきづかずに行ってしまう。
街の中にポツンと立つポンポンを誰かが抱き上げる。

ポンポンが帰ってこない。
ママを見かけたから、連れて帰ったのでは?と言われ、元妻の家へ。
しかし、ポンポンはいない。
警察へ届け出るが、失踪後、24時間経たないと捜査してもらえないと言う。
まずは自力で捜せと言われる。

思いつく限りの場所を探すティエン。
ポンポンの乗った電車は、無常にも走り出してしまった。
誰かに抱っこされている。

警察で、電車に乗るポンポンを防犯カメラで確認する。
DNAを登録するように言われる。

2009年7月8日、ポンポンは行方不明に。
動画を撮り、情報を求めるティエン。
「息子は桃アレルギーだから」と言う。
金を払えと言う連絡ばかり。

1年後。
俺には養えないと言う子どもをポンポンだと押し付けられそうになったり。
街頭で訴えたり、必死にポンポンを探し続けるティエン。
河北省に来るティエン。
写真が送られてきた。
詐欺だと言う元妻の警告を無視して、金を取られそうになる。
川に飛び込むティエン。

カウンセリングを受けるジュアン。
(元妻)
夫にセックスを求めないよう伝えてと言う。
子どもがいても、行方不明ではない。

ティエンに、家主が出ていって欲しいと言う。
息子が自力で帰ってきた時のために借りたいと言うが、これまで待ったと言われる。
顔色悪いティエンとジュアン。

子どもが行方不明になった親たちの会に参加する。
ティエンは、毎日鏡に
「息子は必ず見つかる、諦めなければ」と言い聞かせる。
詐欺師が寄ってきて黙そうとしたこと。でも時期が過ぎると、詐欺師からも情報がなくなる、と。
ジュアンは初めての参加。
追ってくる息子に気づきながら、振り返らなかった。
私のせいで息子は行方不明になったと号泣するジュアン。

ジュアンの今の夫。
ジュアンは、夜中も座ったままで正常な状態じゃない、意見してくれと懇願しにくる。
だが、所詮、あんたはポンポンのことでは他人事だと拒否する。

行方不明児の親の会でバスに乗り、出かける2人。
警察から誘拐犯の集団が捕まったと連絡があった。
明日には、報われるはず。

誘拐犯が集団逮捕される。
子どもを誘拐したか確認していく。
1人の女から、「電車で泣き叫ぶ子を麻袋に入れたら窒息死した」と言われる。

バスで移動する親達。
前を走るトラックに、麻袋。
怪しい。
トラックを追い詰める。
麻袋を抱き抱えて逃げる犯人。
「子どもを返せ」
必死の形相の親たち。
捕まえると麻袋の中は猿だった。

2年後。2012年。
屋台に、ポンの写真を貼って営業している。
安徽省からの連絡が入る。
情報をくれた青年は、お金はいらないと言い、情報だけくれる。

農村の貧しい家。
ポンポンらしき男の子。
ティエンが呼びかける。
ジュアンが近づきらおでこの傷を確認する。
ポンポンだ。

「ジーガン」と名前を呼んで
追いかける母親。
「人さらいだ!」と村人と追いかける。
「母さん、助けて」と叫ぶポンポン。
母親は、どこまでも追いかける。

ポンポンは、実の両親を覚えておらず、育ての親を求める。
警察がようやく来る。
子どもを取り合う村人とティエンたち。

リー・ホンチン。
育ての親。
夫は去年死んだ。
なぜ連行されたか心当たりがない。
幼児誘拐の嫌疑。
ジーガンは実の子か?と聞かれて、
他の女に産ませて3年前から育ててる。
うちの人は、善良だから誘拐なんてするはずないと泣いて訴える。

妹がいると言うポンポン。
DNAが3日後、一致しなかったら連れて帰れる?と聞くリー。
妹がくる。
ジーファン。ママを探しにきた。
リーを指す。
子どもを産めないはずなのに、建設現場で拾ったと言う。

ポンポンに会うジュアンとティエン。
「おまわりさん、この人たちを捕まえて」と言うポンポンに涙するジュアンたち。

リーは、公務執行妨害で6ヶ月収容される。
深圳に帰ったポンポンと、ジーファンは実の親が見つからず、施設へ。
リーは、ジーファンに会わせてほしいと施設へ行くが、会わせてもらえない。
夜、こっそり窓から覗くリー。
「ママ」と泣くジーファン。

リーは、弁護士事務所にチュー先生に会いに行く。
相手にされず、カオと言う助手に会う。
ジーファンが捨て子だと証明できるか?と言われる。

ポンポンは、深圳での生活に慣れず、あの女と妹に会いたがる。

カオは、事務所をクビになる。
リーは土地を売ってお金にするからと依頼する。

ジーファンに会いにいくポンポン。
「毎日ママを待ってるの」と言うジーファン。
帰り道。妹と暮らしたい?引き取ろうか?と聞くジュアン。
ポンポンが手を繋いでくれる。

ジーファンを拾ったと証言してくれる人にカオと会いにいくが、知らないと断わられる。
出稼ぎできているから面倒は困ると言われる。
「捨て子だったと証明できないと娘を取り戻せない」と泣いて土下座する。
「今晩泊まる?」と聞き、証言をえる。
証言を持って施設に行くが、断わられる。
誘拐犯の妻に子どもを引き渡せないと。
施設を訴えると喚くリー。
ジーファンは、私の子どもだと訴える。

ポンポンが、人身売買防止の訴えをしている街頭でリーが抱き寄せる。
「誘拐犯の妻よ」と言うと、親たちが、リーに恥知らずと殴り掛かる。

「報いを受けろ 」「子どもを返せ」
と集中砲火する。
リーは、放心して立ち去る。
彼女の気持ちも考えろとカオは言うが、誰も聞かない。

カオの母は、認知症のようだ。
お手伝いがいるが、故郷に帰りたいと言う。
リーは深圳に残りたいと言う。カオはジーファンを取り戻そうと言って、前金を返す。
「深圳には一生行くな」と死ぬ前に夫が言っていた。それは知ってることになるか?ときく。

ポンポンが寝ていても
抱っこして連れていくティエン。
離れたら連れ去られると思うのだろう。
親の会は、ティエンだけが報われたと言われている。
ジュアンは、ジーファンを養女にしたいと夫に言うと、離婚を言われる。

ハンは、出産許可を求めにいく。
1人目が死んだ死亡証明がないと許可が出せないと言われ、激怒する。
6年探して見つからない。だが、死んでないと。

ハンがポンポンのお祝いで、
話をする。
妻が妊娠した、合法だと謝る。
お祝いしつつ、複雑な親たち。
ハンは、1人泣く。

リーは
ジーファンの里親申請をするが却下される。
何度もポンポンに会いにいくリー。
「もう来ないでくれ。恨まないようにするだけで精一杯だ」と言うティエン。

リーは、カオの家で働くための健康診断で妊娠していると告げられる。
不妊症だから子どもを産めないと夫に言われていたが、リーは妊娠できる身体だったのだ。

モデルとなった実際の人たちの映像。
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