地球外生命体

最愛の子の地球外生命体のレビュー・感想・評価

最愛の子(2014年製作の映画)
3.6
『ラヴソング』『ウォーロード 男たちの誓い』のピーター・チャン監督による、実話を元にしたヒューマンミステリー。

本作は、年間20万人もの子どもが行方不明になっていると言われる中国で、実際に起こった事件が基になっている。2008年3月に誘拐された男の子が、3年後の2011年2月に両親のもとに帰ってきたという事件を取り上げたドキュメンタリーを見たピーター・チャンは「すぐにこの映画を撮らなければ」と早急に製作にとりかかったという。

中国の街中で3歳の息子が突然姿を消した。両親は警察の協力など、さまざまな手段を使って必死に息子を探すが、その消息はまったくつかむことができなかった。罪悪感と後悔の念にさいなまれながらも、かすかな希望を胸に息子を探し続けた両親は、中国のある村で暮らす息子を見つけ出す。しかし、あの日から3年の時間が流れ、6歳に成長した息子は実親のことを覚えておらず、育ての親との別れを嘆き悲しむばかり。両親はわが子の愛を取り戻すそうとうするが……。

この映画は、ホアン・ボー演じるティエンのモデルとなったペン・カオフォン(彭高峰)の息子ウェンラー(文楽/ラーラー)が2008年3月25日に行方不明となり、2011年2月10日に両親の元に戻ったという話が基になっている。ヴィッキー・チャオ演じるホンチンのモデルとなったのは江蘇省に暮らすカオ・ヨンシア(高永侠)で、ジーガンに当たる娘は、ユエユエ(粤粤)。本編の最後にカオ・ヨンシアが深圳にある彼女の施設を訪ねるシーンが登場するが、ユエユエは2014年春、3年間預けられた里親の家に正式な養女として引き取られたという。ハンのモデルとなったスン・ハイヤン(孫海洋)は今も息子を捜し続けており、本編最後でペン・カオフォンが息子ラーラーに「もう一人のパパ」と言ったのは、このスンを指している。

★2015年東京フィルメックス
観客賞
★2015年香港映画批評家協会
主演女優賞(ヴィッキー・チャオ)
脚本賞
★2015年香港電影金像奨
主演女優賞(ヴィッキー・チャオ)
★2015年中国映画メディア賞
主演女優賞(ヴィッキー・チャオ)
★2015年華鼎賞
主演女優賞(ヴィッキー・チャオ)
作品賞
監督賞
★2015年中国金鳳凰奬
男優賞(ホァン・ボー)
★2015年中国映画金鶏奨
助演男優賞(チャン・イー)
★2015年中国映画監督組合賞
審査員特別賞
★2015年中国映画脚本家組合協会
脚本家
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