MaShiro

たかが世界の終わりのMaShiroのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
3.7
とにかく観ていてつらかった。
個性的で感情的で攻撃的にしか話せない家族、その中で兄の妻だけが心優しくみんなを気遣うのが救い。
兄が弟に対しての態度は愛情の裏返し。
母親と妹が音楽に合わせてエアロビを踊り出したとき、唯一兄弟が目配せして笑う。
そのまま、小さい弟に愛情をストレートに向けていた回想シーンになる。
そのとき弟が背を向けて走り去るところが兄から遠く離れていくことを象徴しているのか。。
弟がゲイであることや家族を捨てたこと、クリエイティブな才能があり自分には手の届かない存在になったことでああいう攻撃的な感じになる。
弟が12年前に家を出て帰らなかった理由については触れていないけど、その理由はなんとなく想像がつく。
でも理由はあまり重要ではない気がする。
どの家族も仲良し家族ではなく、家族とうまくいかずに居心地のわるさを感じている人も多いはず。
血がつながってるってことでがんじがらめになってなかなか縁を切れずにいたり。
ただ、この家族の間には愛があると感じた。

兄は最後に強引に弟を帰らそうとするのは「告白」を聞きたくなかったからなのか。
◎仲良し家族で育った人にはピンとこなさそうな作品のような気がします。
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