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たかが世界の終わりのaya920のレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.6
個々の人間性や人間同士の距離感は生々しく、映像は柔らかで美しい。そのバランスが絶妙だった。グザヴィエ・ドランはやっぱり天才だと思う。
ここまで自然な会話劇は滅多にない。言葉の一つ一つが活きているのに台詞臭いという印象を与えず暴言すら無駄に感じさせないのは凄いと思う。冷静に字面だけで捉えたらすごく文学的な言葉も多いのにとてもリアルに感じた。きっと日本語訳の字幕も日本人の感覚に上手に寄せてくれていたのではないかと思う。
映像も素晴らしかった。上手く言い表せないけれど、実際にそこにあるものを正確に映し出すというリアルさではなくて、心の中にしまってある思い出の景色に限りなく近いというか。。大袈裟に例えると高感度カメラで撮った月の写真よりも抽象画の月の方が(わぁ…月だ…)って感じる的な。。
もちろん俳優さんのお芝居が良かったのは言わずもがな!
また観たいと思わせる作品だった。
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