足らんティーノ

たかが世界の終わりの足らんティーノのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.5
天才グザヴィエ・ドランが撮る、名優達のすさまじい演技合戦。
『胸騒ぎの恋人』『マイ・マザー』と観て、斬新でハイセンスな監督と思ってたら、その作家性は残しながらも、こんなに繊細な作品も撮れることに驚いた。
大好きなレア・セドゥとヴァンサン・カッセルが兄妹役で共演してるのもアツい。

ギャスパー・ウリエルとそれぞれが一対一で会話するシーンがどれも意味があって素晴らしい。

最初は、気を使わないお決まりの口喧嘩と愛のこもったアイコンタクト。

久しぶりに会う家族の若干の他人行儀、わざとらしさ、緊張感。
死を告げに行く、有名人、がそれを生み出す舞台装置。
緊張感をもたらす異質な自分がいることで、時がもたらした変化が表出する。

「私たちは あなたがくれる時間を恐れている」
家族への恐れ。

兄ヴァンサン・カッセルの劣等感と孤独。
「一緒にいても遠い」

「今日ははじまりと同じく
当たり前のように終わる
ただ 何事もなく
いい日だったと」

2023-59/字幕
足らんティーノ

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