このレビューはネタバレを含みます
※結論から言えば、上質な感性に溢れた素晴らしい作品でした。
※映像の色彩美、カット割、長いセリフの連続、音楽の効果的な使い方、ぼかした映像からクリアな映像に変わっていくシーン、不意に音声が消える長い時間、すべての細々とした素敵な演出と台詞が創り出した傑作だと思います。
※ルイとカトリーヌの目だけの長い演技は見ごたえがありましたね。《帰ってきた理由を知っているか?知らないのか?》という関心に繋がっている伏線のように思われました。
※ルイが以前家にいた時に使っていたベッドのマットレスを指で触るとホコリが静かに落ちていきました。このシーンで主人公が家から出て行ってから長い年月が流れたことを表していたのでしょう。
※アントワーヌは最後にルイを無理矢理に家から追い出そうとしますが、果たしてルイからルイがもうすぐ死ぬということを聞かされたからなのでしょうか?家族を長い苦し身から解放するために・・・?
※エンディングもこんな形とは思ってもいませんでした。確かにルイが家族の前で死が迫っていることを話して、その後の家族の狼狽ぶりを追いかけても・・・。結果として納得のエンディングと思います。
※《たかが世界の終り》というタイトルですが、分かるようで分からないタイトル?ですね。《たかが》という言葉にどんな想いを重ねるかによってその評価は分かれるのでしょうね