ヨダセアSeaYoda

たかが世界の終わりのヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
3.5
"私たちって変わった人生を送ってる"

"俺たちは他人だ、ずっと他人じゃないか"

【STORY】
 自分の死期を伝えるため、一大決心をして久々の家族を訪ねたルイだが、家族の殺伐とした空気のなか、中々言い出すことができず…


【一言まとめ】
●生身の会話劇×演技最強布陣
●マリオンの振り幅本当にすごい。
●心底いたたまれない気持ちになる


【感想】
 他のドラン監督作品を順番に観てからに取っておいた今作もついに観て、『ジョンFドノヴァンの生と死』以外はコンプリート❗️
 この勢いで『マティアス&マキシム』へ。

 大好きなレアとマリオンの共演には最初の数分でテンションが上がりました😊

 少数精鋭の演技最強布陣による、映像の動きが少ない生身の会話劇。
 余計な出来事や演出は全て取っ払い、会話と感情だけで見せ切る洗練度はさすがとしか言いようがありませんね‼️

 虚ろな目に葛藤と諦観が映るルイを演じたギャスパー・ウリエルは、口数が少ないルイをその目線と動き方で見事に演じ切っていました!

 家族を置いて成功している弟にコンプレックスを隠せない激情的な兄を演じるヴァンサン・カッセル、どこか世界に対して諦めたような淡白さを見せながら、愛情や情熱を秘めた妹を演じるレア・セドゥ、なんとか家族をまとめたいのに上手くいかない感情的な母親を演じたナタリー・バイもそれぞれ心に迫る演技と美しさ。

 そしてそして、特に感動したのは、"血の繋がりのない立場からか一歩後ろに引きながらも、家族のバランスを取ろうとする兄嫁" を演じたマリオン・コティヤール‼️
 マリオンの演じる人格の振り幅の広さに改めて感嘆しました。

 
 すれ違いまくりうまくいかない家族の様子は観ていて心底いたたまれない気持ちになり、どんどん心が沈んでいきました。
 そこまで心を沈められるのも、5人全員が物凄い演技で引き込んでくれるからこそ。

 (ドラン監督作品の中で点数低めなのは、他の作品に比べて "語られる内容" 自体はあまりないように感じたからです。)

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観た回数:1回
直近の鑑賞:レンタルDVD(20.09.25)
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