matchypotter

フィフティ・シェイズ・ダーカーのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.5
3部作×4シリーズ、グルグルローテーション。
Part.Ⅳ。2周目③。

前作ではただただ彼の持つアイデンティティたる凡人には計り知れないその“癖”に、戸惑い、振り回され、疲れ切ってしまったアナスタシア。

しかし、その戸惑いにも、困惑にも、徒労感にも、何か特別なモノを感じずにはいられないのも事実。

少しの冷却期間を経て、また距離を縮める2人。

本作では前作では一方的に投じてきて考える隙を与えなかった彼の内に潜むモノ、特に彼の過去を知る存在が現れる。

前回はその外側の2人のタッチポイントと言うか、関係の築き方にただただ戸惑ってたが、そのことで、そのから何歩かさらに関係の奥地に向かう2人が垣間見れる。

そして、この彼の“所有”欲のような物の産物が、裏でジリジリと積もりに積もって2人の関係に外的な影響を及ぼしてくる、、、ことが確実に認められる2作目。

だからある意味で2人の関係は、この特別な行為の上に成り立つことを暗に認めつつ惹かれあっていく流れなので、ラブストーリーとしては少しずつ成就の道を進む。

むしろ、やっと何とか着地点をこの“特別な形”の上で肉体的にも精神的にも見た2人のようにも見えて、その行為自体はともかく、前作とは打って変わってとても普遍的な恋愛観すらある。

しかし、実際は普遍的ではないからこそ、普遍的に近づけば近づくほど、これまで眠っていたモノが目覚め、浮き彫りになってくる。

まるで
「お前はそんなことでは満足できるような人間ではない」
「ここまでのことを無かったことにして普通の幸せを得られると思うな」
そんなメッセージを感じずにはいられない2作目。

果たして、ここからこの2人、、、そして、散りばめられてる“ほつれ”の数々がどうなっていくのか。

これは“アブノーマル”な中での2人の束の間の幸せ、、、なのかもしれない。

明らかにこのまま「めでたし、めでたし」で終わる気がしないいくつかの布石。3作目、これがどう出てきて、2人はどこに、どういう風に着地するのか。

アナスタシアが“アブノーマル”を迎え入れてのシーンは前作よりもとても官能的だった。


F:1770
M:12792
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