街ネズミのガンバはある日、世界で一番大きな水たまり=海の存在を知りそれを見に行こうと親友のマンプクと共に旅に出る。
二人は港で船乗りネズミのヨイショたちの大宴会に出くわすがそこに現れたのは離島から命からがらやってきた子ねずみの忠太だった。
忠太の島が最凶のイタチ・ノロイたちによって蹂躙されている事を知ったガンバは彼らを救うため島に向かう…というお話し。
生きる事=冒険の詰まった、愉快で熱くてハラハラして愛おしさの詰まった作品!
ガンバを始め仲間のネズミたちがみんな個性的でかっこよくて、可愛くて、大好きになります。
王道の最高の形での描き方だと思うほど刺さりました。
以前、生き物は完全に満たされた状態になるとどうなるのかというネズミの実験が行われたそうです。
環境も食料も医療も全てを人間が厳重に管理し、未来に対する不安が全くない状態でネズミの集団がどうなったのか。
結果は何度繰り返しても絶滅したそうです。
多くの人は生活の中から心配事や不安を取り除こうとします。
だけど、心配も不安もない生活はかえって種を滅ぼしてしまう。
何もせず街で普通に暮らせたはずのガンバは危険の待ち受ける冒険の旅に出ました。
そこにあったのは楽しい事や嬉しい事だけじゃなく、苦しい事も悲しい事も沢山ありました。
だけどそれら全部ひっくるめて、ガンバの冒険は素晴らしいものだったに違いありません。
人生はただ生きるだけのものじゃない。
“冒険”する事こそが本当の意味で生きるという事なんじゃないかと僕は思います。