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シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人のTSのレビュー・感想・評価

2.2
【それ程出禁になってない珍老婆達の話】
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監督:ホバルト・ブストネス
製作国:ノルウェー・デンマークなど
ジャンル:ドキュメンタリー
収録時間:82分
興行収入:不明
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割とパッケージとタイトル詐欺のような気がします。思ってる以上にバリバリ行動しない。思ってる以上に出禁にならない(笑)

僕は文系大学出身ですが、文系科目で一番苦手なのは経済学と認識しています。もちろん他の学問も苦手なのはありますが、肌に合わないと常に感じるのは経済学です。つまり儲けるの下手でしょうね僕はww

で、今作は、経済の成長は果たして人類の成長になるのか?という現代社会における根本的な問いを、ほぼアラナイである老婆、シャーリーとヒンダが世間にぶつけるドキュメンタリー作品というものです(^o^)

電子車椅子に乗りながら、経済学の講義を聴きに大学へいったり、わざわざ教授の自宅に訪問し、経済について質問したり、中々のアクティブさを見せるお二人。

なるほど、経済の成長を謳う社会ですが、果たして公共の福祉に貢献しているのでしょうか?自らの利益のためだけに動いてるのではないか?
その根本的な問いを、講演会でも乱入し強調していく。メッセージ性としては非常に有用な作品かと思われます。

しかし、厳しいことを言いますが、アラナイである老婆二人がそのようなことを述べても、社会は振り向いてくれません。人種差別ならまだしも、今回の経済に関する問題は非常に不鮮明であるからです。
おまけに、今作の構成もあまりよろしくない。僕はわりと映画に、大学という環境が出てきたら、わりと厳しい目で鑑賞してるのですが、今回もあまり良くないシチュエーションでした。

聴講生なのに、講義妨害に近い質問を連発するシャーリーとヒンダ。そりゃあ、何を聴講生の立場で。と思い教授は煙たがります。確かに質問は自由ですが、まずは教授のルールに従うのが、受講生としての最低のマナーです。ましてや、他の受講生がいる中で、講義を止めてまで質問するのはあまり良くないです。
これが冒頭にきたので、僕としては、正直にいうと、お騒がせものの二人。というレッテルが貼られてしまったのです。

そのあとも、二人の必死さはわかるのですが、世間が振り向いてくれないのは明白なので、見ていて痛々しかったです。

なので、全体のメッセージ性としては、非常に良い映画なのに、構成で滅茶苦茶にしてしまってる。失礼ですが、ドキュメンタリーですが、果たしてどこまでスタッフがこの二人に指示したのか?なども考えてしまいます。

で、この二人の老婆の主張ですが、確かに経済の永遠の成長なんてないでしょう。

経済の成長=社会の富裕化=資源の大量消費=環境の崩壊
に繋がると考えられます。
もちろん、他にも色々なことが想定されますが、極端な話としてはこういうことでしょう。

しかしまあ、これを容易く解消できれば苦労はしない。そのあたりは、訴えてるだけでシャーリーとヒンダは少々無責任。あまりにも高齢であるため、訴えることしか出来ないのは明白ですが、、

なので、そういうことも常に考えなきゃダメだよ!という気づきの映画として見ると、有意義になると思います。
確かに一人一人が経済の行く末を考える方が、結果としては良い方向に進む確率が増えるでしょう。

しかし、映画としては面白味に欠けました。パッケージやタイトルで期待させられた分、少々残念でしたね(°_°)
TS

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