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アーフェリム!のchiyoのレビュー・感想・評価

アーフェリム!(2015年製作の映画)
3.5
2022/4/14
1853年、ルーマニア南部。法執行官コンスタンディンと息子のイオニタ。序盤こそ、周りに疎まれながらも仕事をこなす役人といった感じだけれど、声をかけた女性への手の平返しの「クソババア」発言に思わず吹き出す。その後は人種への差別が甚だしく、なかなかにブラックな内容。が、ドライながらも奴隷への態度に優しさが感じられ、その人間臭さがどこか憎めない二人。結局のところ、二人にさほどの権力はなく、淡々と仕事をこなし諾々と結果を受け入れるだけ。時代は違えど、今の人たちがやっていることとあまり変わらない。ただ、逃げたロマの奴隷カルフィンへの仕打ちは結構な残酷さ。また、それなりに懐いていた少年もあっさりと売られてしまう。全編を通してモノクロで描かれ、森の中の描写がすこぶる綺麗。
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