ふわふわ

COBAIN モンタージュ・オブ・ヘックのふわふわのレビュー・感想・評価

3.8
カート・コバーンのドキュメンタリー。

〈ちょっと自分語りが多めなので読みたくない方は読まないで下さい。〉


Nirvanaが好きでよく聴いていた。
若者のカリスマ、代弁者。世代の象徴。
でもあまりカート個人についてはどんな人物かよく知らなかった。

Nirvanaを聴いていた時は人生で1番辛かった時期で、彼の音楽はうずくまって身動きが取れない時にそっと何も言わずに傍にいてくれるような存在であり、またフラストレーションを発散させてくれる存在でもあった。

ライブに行きたかったけど行けなかったなあ。後悔。
ある日突然別れが訪れた。
あの日の事は忘れられない。
あまりにもショックで一日中泣いていた。

それから何十年もNirvanaを聴く事が出来なかった。
何故なら、聴いていた自分にもカートを死に追いやる原因になったのではないか?と勝手に傷ついていたからである。(自意識過剰)

それと同時に自分の人生も忙しくなり、よく聴いていた洋楽にも次第に興味を失っていった。

やがて年月が経ち私もだいぶ大人になり、YouTubeやサブスクでNirvanaを聴けるようになっていた。
そして、初めてNirvanaのドキュメンタリーを観る事ができた。

だいぶ前置きが長くなりましたが、

本作はバンドではなくカート個人のドキュメンタリー。カートの関係者のインタビューとホームビデオ、カートの残した言葉と絵と曲で人生を上手く構成してある。
たまにライブやアニメも挟まれる。

ホームビデオはコートニーと娘フランシスにとても愛情を持っていた事が伝わってきた。
「コートニー皆君を愛している」とオーディエンスに言わせて嬉しそうに微笑む姿は可愛らしかった。

そして、絵が子供の頃から上手。
映画ではカートの描いた絵を動かしたりして面白くカートの心情を表していた。
家庭環境の辛さを絵や文字を描く事で傷を癒やしていたのかな。
思慮深さが窺える。
彼の心からの叫びは音楽となり、聴いた人に真実となって伝わる。

死の真相は結局わからずじまいでしたが、カートという人がどんな人だったのか少しでも知れて良かったです。
カートに会えたようで嬉しかった……。 
ふわふわ

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