アリ

“記憶”と生きるのアリのレビュー・感想・評価

“記憶”と生きる(2015年製作の映画)
5.0
普段は3の後半くらいに偏った煮えきらないスコアつけてて、ここんとこ5を特定のテーマで連発してるので疑われそうですけど、これはほんとに5です。
(というかどの5も同じ意味の5ではないのでどれも本当だけど)

姜徳景さん、金順徳さん、李容女さん、朴玉蓮さん、孫判任さん、朴頭理さん、この映画を見たら、一度でいいから彼女たちと話してみたかったなって(図々しいかも知れないけど)思ってしまいました。
ポスターやパンフレットの姜さんは病気でやつれてからの面ざしですが、映画の中にはもっと様々な表情が現れています。

もういないそのかたたちに、私たちが間に合わなかったことを突きつけられるのは苦しいけど、彼女たちを「元慰安婦」というフレーズでしか知らないより、お名前と顔を知った今の方がずっといいと感じる。
話すことも、撮られることも、それだってきっとつらかっただろうけど、私はこの映画を記憶に留めていたいです。

土井監督のトークもお聞きしましたが、短くまとめたバージョンも作ったものの、それではインタビューしたうち三人をカットしなくてはいけなくなる。それは出来ない、彼女たちの言葉を残さず、なかったことにしたらいけないと思われたそうです。
納得できる密度で、実際に不要な場面はないと思います。
友達なり家族なりと踏み込んだ話してて、気づいたら三時間半。
つかれた、とは思っても「もっと早く切り上げたら良かった」なんて全然思えない時ってある。そういう感じ。
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