愛

500ページの夢の束の愛のネタバレレビュー・内容・結末

500ページの夢の束(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます


ウェンディが自閉症であることがこの映画 最大にして最高の特徴。

脚本の舞台も脚本を届ける ハリウッドまでの道のりもウェンディにとってはどちらの世界も異世界なのかなと思った。

舞い落ちる脚本
焦りと自分の思考回路 もどかしい思いに
追われて追われて。

外階段から降った夢の束はまるで異世界に放り出されたウェンディの心のようだと思った。

予期せぬアクシデント
ルーティンを外れる生活リズム
どれもウェンディにとっては
耐え難い苦痛であったはず。

締め切りギリギリでたどり着いたハリウッドの郵便室でも消印なしは無効だと凄まれ。

それでも胸に抱いた500ページの用紙の中で
大好きなスター・トレックの舞台で表現したい自分がいた。伝えたい言葉があった。


Do you know who I am ?
あなたは私を知っている?
あなたに私の何がわかる?


感情を表現することが自閉症では困難かもしれない。 自分でも知らない間に感情に堅く鍵がかかってしまうこともある。自分のコントロールを外れるほどに、感情が爆発してしまうこともある。

それでも、脚本を通して
ウェンディが読み手に伝えたいことがあった。

私はみんなと違うようで同じだ
ということ。

500ページの夢の束は
姉家族と暮らしたいという
ウェンディのささやかであたたかい
素直な願いであったのだと思う。


全体的にブルー、落ち着く色合いの映画だった。
純粋な青色の映画だった。
愛