リーアム兄さん

500ページの夢の束のリーアム兄さんのレビュー・感想・評価

500ページの夢の束(2017年製作の映画)
3.8
【好きなセリフ】
ウェンディの脚本「船長、論理的な行き先は1つです。前方です。」

この映画の中では「引き返す」「後ろを見る」という表現が出てこない。
施設でのウェンディは「いつも通り」のルーティーン、「信号を渡らない」=いつもの生活範囲で行動する、興奮したときには「そのまま待機」と言い続けるなど、自分の生活に制限を設けていた。だがそこでも自分の生活に後悔する、振り返るというような描写は出てこない。
スター・トレックの脚本コンテストという達成したい目標と対峙したときに、ウェンディは自分の生活の制限を超える1歩を踏み出し、どんな困難に直面しても戻ることなく、目標に向かって進むことができた。
ウェンディの勇気も素晴らしいが、問題を抱える人に対して、「後ろを見る」という選択をなるべく取らないようにするということも大切だと感じた。
また、バス運転手やバスチケットの受付、警官など、日頃の生活にちょっとの良心を加えるだけで、誰かの問題を解決するサポートができるということも気付かされた。