1978年の人民寺院の集団自殺がモチーフのPOVモキュメンタリーホラー。POVなんだけどとても見やすく撮っているので不鮮明や画面揺れ等のPOVにありがちな視聴ストレスはほぼない。臨場感よりも見やすさを選んでくれたようでありがたいし、視聴者目線で作ってくれてて好感。
今回改めて事件について調べてみたけど、自殺の様子以外も教区の入り口や人々が暮らしていた小屋など映画ではかなり実際の事件に寄せて作っていたので、フィクションというより事件の再現映像に近いものだなと思った。その点では事件をなぞっただけなのでもうすこしエンタメ的に作ってくれてもよかったなと思うけど、薬物を混ぜたジュースを信者が集まって飲む様子や逃げる人々をマシンガンで撃つ様子など狂気の場に自らもいるようなリアルさがあって総じてよくできていたと思う。
しかし実際に起きた悲劇をほぼトレースするだけの映画をエンタメとして作ってこんな風に観るってのは悪趣味にも思えるので他者におすすめはしにくいね。
