このレビューはネタバレを含みます
タイトルは、『LOVERS』。『複数の愛』という意味だが、この作品の場合、『2つの愛』である。『シャオメイ』を巡る、三角関係が、アクション混じりに、美しく、描かれている。主人公は、『スイフォン』。女遊びの激しい、モテ男。役人であり、武術の達人。彼は、飛刀門の、頭目を、殺した男でもある。その事を、知ってるのは、同僚の『リウ』だけ。飛刀門は、頭目を殺した男を、探していたのだが、実は、飛刀門は、『スイフォン』が、頭目を、殺した男と、知っていた。理由は、『リウ』が、実は、飛刀門の者で、内偵だったからだ。そのため、飛刀門は、『リウ』の恋人である『シャオメイ』を使って、『スイフォン』を、罠にかける、計画を立てる。『シャオメイ』が、頭目の娘のフリをし、『スイフォン』を、油断させると同時に、誘き寄せ、捕まえた後、処刑しようとする。まんまと捕まった、『スイフォン』だが、実は、『シャオメイ』は、『スイフォン』のことを、本気で、愛してしまい、『シャオメイ』は、『スイフォン』を、処刑せず、逃がしてしまう。その事が、『シャオメイ』の恋人である、『リウ』の怒りを買い、『リウ』は、『シャオメイ』に、飛刀を、投げる。その事が、『スイフォン』の怒りを買い、『スイフォン』と『リウ』は、憎しみ合い、殺し合う。最後は、『シャオメイ』は、『スイフォン』を、助けるため、自分に、刺さっていた、飛刀を抜き、投げる。その事で、『シャオメイ』は、絶命し、残された、『スイフォン』と、『リウ』は、悲しみに暮れ、物語は、終わる。この物語は、『スイフォン』と『リウ』の、『シャオメイ』への愛が、交錯する、三角関係なのだが、『スイフォン』は、最初は、任務と、女好きな性格である、遊びの気持ちなのだが、任務の気持ちで、いたはずなのだが、仲間から、本気で、殺意を向けられ、斬りかかられ、自らも、仲間を、殺さなければならない状況で、側には、『シャオメイ』。危機的状況の中の、燃え上がる愛であると言える。一方、『リウ』の方は、長年の恋人で、『シャオメイ』との仲を、認めて貰うための、内偵。我慢強い愛。どちらも、本物の愛と、言えると思う。長年自分を、思ってくれた『リウ』と、短い期間で、築いた関係の『スイフォン』。普通に考えたら、長年、想い続けてくれた、『リウ』を、選びそうなものだが、では、なぜ、『シャオメイ』は、『スイフォン』の方に、靡いたのか?それば、組織に、縛られた『リウ』と、組織に、縛られない『スイフォン』の、差だろう。『シャオメイ』も、『飛刀門』という、組織に、縛られた生き方は、やはり、窮屈だったのだ。『シャオメイ』は、窮屈な組織より、自由を求めた。その差だろう。これは、仕事一筋の、旦那より、自分の側で、自分を見てくれる、不倫相手に、ひかれる妻の心境に、酷似している。やはり、どんなに愛されても、自由を縛る存在は、窮屈なのだ。もっとも、『シャオメイ』の、自由を縛っていたのは、『飛刀門』なのだが…。この作品は、三角関係が、美しく描かれている。