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ボヴァリー夫人のnishikoooのレビュー・感想・評価

ボヴァリー夫人(2014年製作の映画)
4.0
物語の主人公であるボヴァリー夫人ことエマは女学生上がりでそのまま結婚、心はまだ少女。恋愛小説を読んで、ロマンスに憧れ、都会の洗練された文化に憧れた。

世間知らずな少女は性的にも、美的にも好奇心旺盛だった。しかし茶色とグレーしか無いような田舎町と平凡な夫では到底溢れんばかりの好奇心は満たされない。

エマは自分の選択で買い物をして、愛人と逢瀬を重ねて能動的に何かをすることに夢中になっていく。それは唯一の希望だった。
だけど責任を伴わない能動的な行動は、誰かの手の中で転がされていただけ。
この時代において、その誰かは皆男性。
男に養われ、男にとって利益がある限りにおいてのみ自由な行動を認められ、そこからはみ出したことで身を滅ぼした女性の悲しい末路。
それは今の時代にも当てはまる場合があり、女性の自立の歩みがいかに険しいものかを改めて感じた。
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