みほみほ

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)のみほみほのレビュー・感想・評価

3.8
🐒2024年76本目🦍(吹替)

リブート版1作目から2作目への流れに対し、この上映時間ときたら重々しいものを観せられるのは想像していたけれど、不意に訪れる無慈悲な現実があまりに辛くて直視出来ない。

それでも重々しい空気に偏らず、ハードな面とソフトな面と絡み合って観やすいのは良いけど、こんなに慎ましいエイプの暮らしをコミカルに受け取るのはなんだか今までの流れからして、少し違和感があった。

戦争とかそれに付随する残虐行為とか、観ているだけで疲れるから、今までのリブート版とは印象も違ったし、まさか戦いの最中にあのような展開でこういった景色を長丁場で観るとは思ってなくて思いの外疲労が溜まってイッキ見出来なかった。

コバのことを取り逃さず、しっかりストーリーに生かしてコバが抱えた闇を体現してくれるシーザーも良かったし、モーリスに至っては『あなたは人格者なのか?』と言いたくなる振る舞いで毎度の事ながら心が清められた。モーリス素敵です。

あの目、悲しみの表現。こんなに慎み深く、奥深い表情でここまで魅了されるのは何故だろう。このシリーズのエイプの表情は特に心を惹き付けられた。

リブート版シリーズの中で特に悲しいシーンが多く、死にゆく仲間も裏切る仲間もいて、人間界に起こりうる絶望が詰め込まれていたので、最後の華麗に自爆する人間達には拍子抜けしちゃった。まぁそれもこれも含め、人間の愚かさ、バカバカしさみたいなものを表現してくれているのか。

助けて貰った兵士の弓の名手の彼が、エイプを助ける手立てになるかと想像していたが、なんにも絡んでこなくて逆に驚いた。意味深な表情沢山してたけど、結局は対立する者同士という過酷な現実。

ウディ・ハレルソンも冷酷なキャラクターとされていたけど、悲しみ含んだ過去といいあまりそこまでの強烈さは感じなかった。あの幕引きはなんだか切ないな……

人間に肩入れした彼🦍の最期に泣いたあと、さらにラストが辛くてエンドロール中泣き続けた。家で観る時って、エンドロールの最後に映像がないか確認はするけど、最後の最後までつけておくことってあまりしないんだけど、心が整理できるまで 、苦しみを噛み砕けるまで、時間が必要で平和の為に大きな犠牲があって今に繋がるっていう切なさが込み上げてきた。

フィクションなんだけどノンフィクションみたいな世界。リブート版シリーズがこんなに見応えがあるとは思ってなかった。観れて良かった。

今回登場するバッドエイプ、とてもひょうきんで可愛かったけど、シーザーの横にバッドエイプがいると浮いているというかなんというか不思議な感覚だった。このシリアスな世界に急にコミカル入れてきちゃったみたいな。(動物園にいたからあのキャラクターにも納得してしまうのが面白いけど)

声の担当は初動はハスキーめな声優さんかと思っていて、叫ぶシーン辺りでちょっとあれ?と思い調べたら柳沢慎吾と知ったので、調べないで観れば良かった。

最新作楽しみです!!!!!
みほみほ

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