三樹夫

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)の三樹夫のレビュー・感想・評価

3.6
リブートシリーズ3作目。遂に軍隊が出てきて人間と猿の全面戦争になり2年が経った。猿たちは森にこもり抵抗を続けていた。シーザーは姿を消したが、ひそかに猿の軍団を指揮をしていると言われている。猿の中には人間の側についた猿もいた。軍隊が森に侵入してきてシーザーの子供が殺され、復讐を誓うシーザーは大佐を殺す旅に出る。

聖戦記っていうか黙示録と付けた方がいいんじゃねというぐらい『地獄の黙示録』で、冒頭の猿がゲリラ化して森に潜みそこに人間の軍隊が進行しているというのでベトナム戦争をやりたいんだなと思っていたら、ベトナム戦争というかほぼ『地獄の黙示録』だった。大佐を殺しに行くストーリーもそうだし、大佐も『地獄の黙示録』の時のマーロン・ブランドみたいなタコ入道だし、大佐の基地が最後爆破されるのもそうだし、さらには「猿の黙示録」の落書きで律義に『地獄の黙示録』を参考にしていますというのを示してくる。
相変わらず人間が死んだ方がよくね?となるリブートシリーズで、1作目では施設のチンピラと隣人のおっさん、2作目では丸刈りのクソとゲイリー・オールドマンと、毎回毎回人間のクズが出てくるが今作では現時点でリブートシリーズ最クズのタコ入道が出てくる。まあクズっていうかあたおかでもあるけど。そこらへんも『地獄の黙示録』が元ネタだろう。人間は散々っぱら猿殺しときながら反撃されたらうわー猿が襲ってきた人が死んだーというクズムーブかまして虐殺にやって来るという、猿目線で見るように誘導されている作りなので、人間ってマジでクズだなと思う映画になっている。
次回作になるたびに人間の出演者は引き継がれず、その後どうなったかもほぼ分からないというので、製作に紆余曲折がありそう感がプンプン漂うが、大きな破綻が無く一応はまとまってる感が出ているのはもはや奇跡的だろう。
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