うえの

キル・ビル Vol.1のうえののレビュー・感想・評価

キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)
3.1
殺し屋稼業から足を洗った女エージェントのザ・プライドは結婚式当日に元ボスが放ったエージェントらにより愛する夫とお腹の中の胎児を奪われてしまう。
4年にわたる昏睡状態から目覚めたザ・プライドが襲撃犯の4人のエージェント、そして元ボスにして黒幕のビルを殺すために復讐の旅に出る姿を描いたクエンティンタランティーノ監督によるバイオレンス作品の1作目。

ブルースリーの衣装をそのままオマージュした黄色のトラックスーツに身を包み、日本刀を構えるユアサーマンが印象的な今作はある種タランティーノ監督の代名詞ともいえる作品。

全てを失った女エージェントによる復讐劇という一見シンプルなストーリー構成に日本を始めとしたアジア圏の映画、ドラマ、アニメなどのさまざまなメディアから引用した(らしい笑)オマージュの連続でアクの強い登場人物やその名前、突然始まる劇画風のアニメ、カタコトの日本語を話す出演陣など気になるところが多すぎるジェットコースタームービ的仕上がりに笑。

ほぼオマージュの元ネタの作品を知らない為、偏見でしか語れないがありとあらゆるB級作品の欠片を張り付けて仕上げた超A級のB級作品という矛盾が何故かしっくりくる印象だった。

当時『レザボアドッグス 』と『パルプフィクション』のヒットにより次回作の期待感が高かったであろう時期に『ジャッキーブラウン』でパムグリアに熱烈のオファーと豪華俳優陣揃い踏みの155分の長尺作品、そして今作で自身の趣味全開の誰が気づくんだというレベルの小ネタオマージュのオンパレードの今作をやり切り、高評価を得るなど2003年にしてタランティーノ監督は不動の地位を得ていたと感じさせる内容であった。
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