観た。
観てなかったシリーズ。
当時なんで観ていなかったのか。
評判がそこまで良くなかったからか、単純に仕事に忙殺されていたからか。後者な気もする。
冒頭の香港映画オマージュから始まるオープニングクレジットはやっぱり格好良い。文字の入れ方、フォント選び本当にセンス良いよなぁ。今観ても古びてなくお洒落。
いきなり女2人の激しい殺し合いから始まり期待大だけど。娘の帰宅もあり、なんかリズムは悪め。
エル・ドライバーはファッションセンス良いけど、ここのシーンもいまいちテンポがなぁ。他のタランティーノ映画と比べて全体的にテンポ感が悪いとは感じた。
意識の無い患者とセックスするどころか斡旋までする最低看護士の車"PUSSY WAGON"はタランティーノの私物⁉︎
オーレン・イシイの幼少期のアニメはプロダクションIG。タランティーノが攻殻機動隊のファンだからと。石井の苗字は石井聰亙、石井輝男、石井克人らからと。
とにかくタランティーノの日本映画、他アジア映画への愛とオマージュが凄い。
アニメの一連は見応えあるし素晴らしい。ここは流石のクオリティ。
復讐の為に沖縄に飛んで、千葉真一登場。初めのおどけた千葉真一は可愛いし、ここのTシャツ姿のユマ・サーマンも表情柔らかくてチャーミング。千葉さんの英語話せる日本のおじさん感もとてもリアル。
服部半蔵の刀のある2階で流れてたのは、リリィシュシュの楽曲。2年前公開の映画の楽曲が使われるなんて事あるのね。
刀に触れている時の千葉真一は威厳と迫力がある。日本刀アドバイザーとエンドクレジットに記載されてもいた。
青葉屋での戦いへ。
ルーシ・リューの目ヂカラ、佇まいの美しさは圧倒される。どんなにヨリになっても成立する顔面力。
顔面でいうと、栗山千明も負けていない。最高のタイミングで抜擢されたんだな。可愛らしさと冷たさと強さのあるお顔。
國村隼も出演時間は少ないが存在感。麿赤兒も効いている。
イシイの片言の辻褄も合わせていく。
黄色いバイクと車の走行シーン、ワクワクするね。どこまで実際に東京で撮れたんだろう。
青葉屋にイシイら一行が入ってくるシーンは格好良過ぎる。布袋寅泰、新仁義なき戦いのテーマ。どんだけオマージュ祭りなのか…
5.6.7.8sも良いね。
戦いのシーンは、タランティーノらしく、ソフィの腕切り落とす所とか、しっかり痛いんだけど。ゴーゴーとの戦いあたりからアクションの粗が気になっちゃうな。栗山千明の限界もあるだろうけど、明らかに男が制服着てテーブルに落ちてたりね…
その後の大乱闘も白黒になるんだけど、残酷さ回避の為なのか、そもそも白黒の為の撮影には見えないというか、あまり良い画ではないのが残念。
仕方ないけど、殺陣がカンフーアクションぽいのと、腰が入ってない所が気になったり。雪降る庭でのイシイ(スタントマン?)の殺陣が特に気になってしまった。
ちなみに草履を脱ぐのは千葉真一のアドバイスとの事。ルーシ・リューの横顔が美しいからまぁいいか。
最後はタランティーノらしい殺し方で決着。そこを切るのか…衝撃でした。
そうか超大作になったから2本に分けての上映なのか。やりたい事をMAXに詰め込んだから長くはなるよね…
でもそれが全体的に感じたテンポの悪さなのかもなぁと。
勿論、十二分に楽しんだんだけど。
クエンティン・タランティーノ、脚本・監督。