冒頭の白黒画面が妙にショットの説得力があるから、その後どんなにゆるゆると荒唐無稽な語り口になったって引き込まれてしまう。まさにタランティーノあるある。飛行機とかアニメとかね。あのアニメのシーン、作家が「やりたいからやった」感がたまらなく気持ちいい。日本の名もなきガールズロカビリーバンドをきちんとカッコよく(それなりの違和感と共に)フィルムに収められるからやはり撮れる人なんだ。なんとなくイメージがチープにとっ散らかりすぎている感じもあり残念だが(画面の情報量のスタイリッシュなコントロール力がタランティーノの端正な魅力でもあったから)、それでも、童心に拍手。