このレビューはネタバレを含みます
監督が大学の卒業制作にて手がけた作品。
年上の彼氏に噛んでもらうことで
自分の存在を実感するという女子高生が主人公。
突拍子もない話かと思いきや、
女子高生の学園生活と絡めながら、
思春期の悩みや葛…
未だ〜にならず。
心の傷は見えないし、傷を見て痛さをわかってもらいたい訳ではないけど、自分で傷をつけるのも、誰かにつけてもらうのも満ち足りない何かを誤魔化すおまじない。
消えてしまう噛まれた痕のよ…
陸上部のエースで活躍するみちるは、彼氏に体を噛んでもらう事で自分を保っていた。ある日部長の新田が大事にしてる日誌を勝手に持ち出し、詳細に綴られた練習の記録とともに、部員の悪口が書かれていた。みちるも…
>>続きを読む何者かでいないと消えてしまいそう。でも何になりたいかはわからない。ないものねだり。
噛まれて残った傷、リストカットで残った傷、街中に貼るシール、“形”として残るもので自分の存在を確かめる女の子たち…
「前ってどっちですか?」知らないよ。
思春期特有の煩悶や迷走は痛々しくて気持ち悪い。そういった感情を描いた作品を勝手に自意識の檻(おり)ものと呼んでいる。そういったものは誰しも通る道でそれ自体は良…
時に満ちたり、時に足りなかったり。みちるの心は月に例えられて行く。
「新月の夜に願いごとをすると、満月の日に叶うんだよ」
心に靄がかかり、もやもやのうやむやだけど、月はしっかり満ち欠けを繰り返す…