うーら

美しき緑の星のうーらのレビュー・感想・評価

美しき緑の星(1996年製作の映画)
4.3
1996年に製作されたものの
上映前に発禁となり、動画がアップされるたびに削除され続けたという本作。

2019年にようやくDVDが発売になったみたいだけど、当時では早すぎたということなのか。



宇宙から見た地球の現状はどうなのか?

現在の地球環境や文明、
地球に住む人間の考え方が
いかに自然の摂理に反しているか、
問題提起している内容になっている。



豊かな自然に恵まれ、
自給自足でお互いを尊重して
助け合いながら暮らしている、
とある星の宇宙人。

そんなユートピアのような
美しき緑の星に住む住民にとって、

・貨幣制度
・人種差別、性差別
・大気汚染
・添加物まみれの
 エネルギーの通っていない食べ物
・経済格差
・繰り返す戦争

・・・・・

地球という星は、
極めて野蛮で、
原始的な文明レベルにあり、
もはや手の施しようがないと考えている。


緑の星の住民は、
文明が遅れている星に派遣され、
調査や手を差し伸べる活動をしているのだけど、地球に行きたいと立候補するものは皆無。

他の星への派遣には大勢が手を挙げているのに。笑

このシーン、本当に印象的だった。
結構リアルにあるんじゃないかと思うんだけど。。

地球が発展した文明だと勘違いしているのは地球人だけで、本来もっているはずの能力を封印されて、幸せを感じられず鈍感になっていないか?
壮大な洗脳劇に巻き込まれているのではないか?

そんなことが頭をよぎる。



この映画の肝となる、
「切断」という行為(技?)。
少しわかりにくい部分もあるかもだけど、まさに真意だと思う。

地球人は、私利私欲にまみれた支配者によって、究極に悪いものを
「良いもの便利なもの」と洗脳されている。

強力でエネルギー溢れる
「自然な意識の波動」に気づかれてしまうと、自分たちの支配が及ばなくなり困ることがわかっているからだろう。

本来の自分に戻るために
その洗脳を解いて覚醒させる
「切断」に合うと、付き物が落ちて一見おかしな行動をとるようになる。

映像ではわかりやすく、ユーモアを交えて表現してくれているけど、まさにこういうことだと思う。

真実を理解して人生の幸福を考えていく人が増えない限り、地球の未来は明るくないことを示唆している。

強いメッセージが込められた作品であるものの、時間も1時間半ほどと短めだし、
ユーモアを交えながら進んでいくのでとても理解しやすい。

薄々違和感を感じている人にとってはめちゃくちゃ刺さる作品なのではと思う。