ねぎおSTOPWAR

無頼漢 渇いた罪のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

無頼漢 渇いた罪(2015年製作の映画)
4.0
タイトルは原題も『無頼漢』。
ごろつき?
・・って無頼漢もごろつきも最近使わない言葉か。w

ここに出てくる主要な人物みんなを指していると思われます。

逃げる殺人犯パク・チュンギル(パク・ソンウン)
その恋人でひたすらに金を工面する飲み屋のマダム ヘギョン(チョン・ドヨン)
ヘギョンを騙す刑事ジェゴン(キム・ナムギル)

1999年「NOWHERE」と図式は同じ追跡劇。
でもね、それだけじゃない。これね、せつない映画です。
わたしはキム・ナムギルの心に寄り添って映画観ました。




これ、パク・ソンウンはともかく、チョン・ドヨンとキム・ナムギルは難しかったんじゃないかなあ。
犯罪者や刑事に限らず、人間生きていると《板挟み》ってよくありますよね。どっちも参加したいスケジュールが被るもそうだし、自社の立場も仕事相手の辛さもわかる・・とかね。恋愛においても仕事においてもよくある話。
そうした心情って役者はどう表現するんだろう。困った顔するだけならわしにも出来るけどねw
2時間に編集される間に揺れ続ける気持ちじゃん、撮影の順番がストーリーと同一ではなく、少しづつ動いていくわけだからね。
前に大ベテランから聞いた話では、この逆算して「徐々に」みたいなものを計算しようとするとね、完成した映画観ると過剰な演技になっちゃうもんらしいっす。やり過ぎちゃうんですって。(日本の役者でおそらくこれなんだろうなあ・・って思う、過剰になりがちな方を思い出しますw)
当然観る側って少なからず感情移入して観るわけで、なんらかの伏線があり「あぁ辛いんだろうな」って思ったあとの”無表情”はあえての辛い顔として認識しちゃうでしょうからね。そういう計算も上手な役者サイドにはあるんだろうなあ。
いずれにしろ、キム・ナムギルと特にチョン・ドヨン姐さんはうまいわああああ。
あらためて感心せざるを得ない演技でした。
姐さんはさ、この映画時41歳。
それでいて魔性の妖艶さと騙されるピュアな少女のような部分とエロティックな雰囲気が相まっているというね。役者としてますます磨かれていますからね!お見事だわあ・・。
あっ、やっぱりこの作品で主演女優賞3つ取ってるみたい。ちなみにこの方「ハッピーエンド」「ユアマイサンシャイン」「シークレットサンシャイン」「ハウスメイド」「マルティニーク」「君の誕生日」・・と取りまくりっす。w

・・パク・ソンウンさんが下手とかじゃなく、いやいやこの方も負けず劣らず上手いっす!!今回はたまたま一直線で揺れのないワリィ奴の役でしたからね。w😆



〈527〉
チョンドヨン姐さん 15/22