ホッシ

タルーラ 彼女たちの事情のホッシのレビュー・感想・評価

タルーラ 彼女たちの事情(2016年製作の映画)
3.0
誘拐した赤ちゃんを育てようと奮闘する話。

主人公が育児放棄されて育てられたから??だと思うんだが、一般的な常識を持ってない感じの人で。とにかく後先考えずに衝動的に行動するし、流れるように嘘をつくし、自分が良ければそれでいいし、自分勝手だし、人の物を盗んだり傷つけることに躊躇いがない。
一番最後については、それがいいほうに作用して、誰かの価値観を変える手助けにもつながるんだけど・・・本当に子供っぽい短絡的な考え方をする主人公で、私はイライラしていたな。

しかし、主人公を助けてくれる女性は感情的なところはあるけど一貫して強くて、情に弱い描かれ方をしていたり。他にも細かい動作から登場人物の感情が伺える描写がされているのを見ると、主人公の幼さっていうのは計算して作られてるんだな、と感じた。

ただ、主人公が赤ちゃんを誘拐するところだけ納得感がなくて謎だったな・・・。幼い自分に重ねたのか、子供を不憫に思ったのか。これだけ自分が良ければいいって考え方をする子だから、よっぽどなことがないとそういう行動をしないんじゃないかと思うんだけど、それが読み取れなかったな。衝動的な行動でしかなかった、ってわけじゃないと思うんだけど・・・。

そしてラストシーン、感想見てると結構不評っぽいけど私は好きだな。
「浮遊する夢を見たら、そのまま消えていってしまいたい」みたいなことを言ってたけど、実際には枝につかまってしまう。それは、孤独だった自分と、今の自分との違いなんだろうなと。
待っていなきゃいけない人が出来た。だから、消えるわけにはいかない。それが生きていく気力にも繋がっているんだろうなと思った。
ホッシ

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