Xavier

神のゆらぎのXavierのレビュー・感想・評価

神のゆらぎ(2014年製作の映画)
3.7
彼女は待っていた、自分のところに彼が来ることを…
共に"エホバの証人"の信者である、看護師ジュリーと末期の白血病を患うフィアンセのエティエンヌは集会を終え、家に戻ってきた。
途中怪我をしたエティエンヌの傷の手当てをするジュリー
エティエンヌは自分の病気が重い事を母に打ち明けられずにいた。
その夜、激しい振動と大きな音が家に鳴り響く。近くで飛行機が落ちたのだ。
負傷者が多数出たため、ジュリーはエティエンヌに病院に向かうため、車を貸して欲しいと告げ病院へと急ぐ。

ベネズエラから帰国したテシエは空港にいた。空港に着くと激しい腹痛がテシエを襲う。迎えにきた女性キムとホテルに向かう。ホテルに着いたテシエはキムに

"金は"
キムは答える。

"全部出したら払う"と

テシエは麻薬の運び屋で袋に小分けされた麻薬を飲み込んでいたのだ。
強烈な腹痛もそのためだった。

アンリは妻エヴリンをホテルに残し、自分は会議中だと嘘をつきカジノにいた。
2人は明日キューバに旅に出ることになっている。

バーテンのレイモンはクローク係のルイーズと不倫中だ。妻とは上手くいっていないレイモンはこちらも夫とは上手くいっていないルイーズをキューバの旅行に誘う

という感じで物語は始まる。
物語は4組の話が交互に描かれ進んでいく。

ジュリーはエティエンヌの病気を心配する。彼の病気は、輸血などの早期の治療を受けることで病状の改善が見込まれていたが、"エホバの証人"の教えで、輸血は不浄なものを取り込むことで教えに反する事から、ジュリーとエティエンヌは治療を拒んでいた。

エヴリンはアンリのギャンブル狂に悩まされていたが、エヴリンもアル中であり
寂しさを紛らわす為、酒に依存。
そんな自分が情けなかった。

ルイーズはレイモンの身体に溺れるが、
夫と別れるつもりはなかった。
レイモンが夫と会うまでは…
夫は2人の関係に気づいてしまう。
ルイーズは歯止めが効かなくなったレイモンに押しきられる形でキューバに行くことになる。

ジュリーの勤める病院には唯一、飛行機事故で助かった重度の火傷を負った患者がいるが、未だに身元不明のままだった
ジュリーは同じ信者である同僚の看護師と布教に回っていた。
そんな中、ある一軒の家を訪れ布教のために家の主人に説いていた
話を聞いていたその主人が2人に言う。

"飛行機が落ちるのは
全能の神が存在しないからだ"と

その言葉にはっ!とし涙を流すジュリー

彼女の中で何が変わろとしていた…

この後の話が気になる人は是非ご覧になって下さい。
この作品のテーマは運命を決めるのは、神?それとも自分っていうことである
作品の後半ではその事が描かれている
自分の運命を神に任せたばっかりに、あんな事になってしまう人や自分の決断により、その事が他の人の運命をも変えてしまう事が…
この事は彼らの関係性も大きく変えていきます。その事が幸せなのか不幸なのか

ラストシーンでジュリーが"あること"を告げられるシーンが…

その表情が何とも言えなかったなぁ…
それが後悔の表情だったのか、それとも…
いろいろ考えさせられる作品。
自分だったら自分で運命は決めたいなぁ
その方が後悔しないだろうしね。

この作品の原題は"MIRACULUM"
ラテン語で意味は"奇跡"
まさにそうかなぁ…
Xavier

Xavier