ドランが出演するということで観たかった。
墜落するキューバ行きの飛行機を終着点にした群像劇。信仰とは?正しさとは?を問う作品。
飛行機事故で生き残った人の生死を目の当たりにする看護師ジュリー。輸血をすれば助かるかもしれない、しかし、エホバの証人は輸血が許されないため同じ血液型のジュリーは悩みます。彼女のくだした決断は…。
群像劇としてもそれぞれの設定が面白かった。エホバの証人である看護師と白血病のフィアンセ(ドラン)、不倫する老人男女、アル中の妻(アンヌ・ドルヴァル)とギャンブル依存症の夫、ドラッグの運び屋の男…。バラバラのストーリーが最後に繋がる群像劇の醍醐味が味わえる。ドランが惚れ込んだ脚本というのも頷けます。
「飛行機が落ちるのは全能の神が存在しないからだ」
信仰心て何なのだろう。日本でも同様の事件があったけど、命を失っても信仰の決まりを守ろうとする信者の気持ちは、無宗教の私にはわからない。信仰心という目に見えないものの深みを感じる作品でした。