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神のゆらぎのokappaのレビュー・感想・評価

神のゆらぎ(2014年製作の映画)
3.7
面白かったです。音楽もなんだか凄く好き。とってもしっとり静かな作品です。説明はないしセリフも少ないけどなんかこう、じっくり鑑賞してしまう。決して明るい話でも結末でもないけどなんとなく、後味がそこまで悪く感じない不思議な作品でした。

エホバの証人信徒の若いカップルが主軸なので、宗教や神、不思議パワー系かと思いきやそうでもない。どうとるかではありますが、信仰心が明確にはない者としてはとても人間らしい方に感じました。その上で、数奇な運命の悪戯というような。

主人公ジュリーの大きな美しい瞳が印象的。揺れ動き思い悩んでいる様子がとてもよく伝わります。熱心で揺らぎない家族や他の信徒よりも、ひたむきで純粋にみえる。

エホバの証人の信徒で看護師ってどういう折り合いをつけて業務を行っているんだろうとか思ったり。作中ジュリーは患者を助けたい気持ちでいっぱいな様子です。輸血や献血はNG項目のはずですが、患者さんに施すことは日常的だと思うのですがそれはどういう気持ちでこなしているのだろう。それとは別に、ジュリーの職業が看護師というとりあえず職に困らないものというのは上手いなと思いました。

若いカップルの男性がグザヴィエ・ドランだっのですね。具合悪そうで身を屈めてる様子などが多かったのと、ジュリーに気を取られて気が付かず…。どの人物も素晴らしく普通の人でした。役者さんたちお見事です。

時系列がけっこう入り乱れるので、しっかり人物と状況を追わないとやや混乱することがあるかも。
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