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神のゆらぎのシネマノのレビュー・感想・評価

神のゆらぎ(2014年製作の映画)
3.5
演技も抜群で、関連作品が見逃せないグザヴィエ・ドラン出演作。

個人的に昨年のエレファント・ソングは隠れ傑作でドランの演技に圧倒されたので、今作も勝手にハードル上げまくってしまっていた。

ドランが脚本に惚れ込んで出演を熱望した、との事だが確かにドランが好きそうな生々しい、抗いようのない人間の性や業を描いているなーと。そこに神を信じる者と信じない?者との悪しき負のスパイラルが組み込まれているのだから、ドランは惚れるだろうなと。

死は必然、死を前提に生死を描き、生の苦しみや死の安らかさを暗示するのは、しみじみと上手いなーと感じた。

しかし自分としてはあなたの方が良い脚本書くよ、と言いたい。
渋い脚本でもちろん良いのだが、それだけで琴線にふれるものがないのも事実。多少のクサさやエンタメ性はやっぱり欲しいなと思ってしまった。

役としても、あまりドランである必要性を感じないし、お互い無理してるなーと。

まずドランありきで入っていくのがダメだし自分が悪いと思い知らされる、脚本は充分に良くできているし、サスペンスや群像劇としても良質なのは間違いない。

終盤放たれる「彼」の使い方で余韻までしみじみ、勝手な解釈で浸れた1作
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