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神のゆらぎの小のレビュー・感想・評価

神のゆらぎ(2014年製作の映画)
3.8
シネマカリテのカリコレ2016の一作品。運命のいたずらを描いたというか、なかなか「ゆらゆら」と、そして神様は意地悪と思うようなストーリー。脚本の妙を楽しむ映画かな。

冒頭、墜落するキューバ行きの飛行機の描写があってから、複数のグループの物語が、この飛行機に向かって、進行していく。登場するグループは4つ。①ともにエホバの証人の看護婦と白血病のフィアンセ、②初老のバーテンとクローク係の女、③ギャンブル狂の夫とアル中の妻、④ドラッグの運び屋の男。

それぞれのポイントは大体次の通り。①は、二人とも輸血をすることもされることも禁止。②は、お互いにパートナーがいながらの情熱的な老いらくの恋。③は、自分は相手に愛情がないと、二人とも意識していること。④は、過去の過ちを償いたいというドラックの運び屋になった男の動機。

ちょっとしたきっかけが誰かの運命を変える。自分の人生をかけた決断が報われるとは限らない。救いがあるようでないような、ゆらゆらした感じが残る。邦題に引きずられ過ぎかも。

自分がどの物語でありたいかを考えると、どれも嫌だけど、強いて言えば②→③→④→①の順かなぁ。しかし自分の場合、老いらくの恋に陥る可能性は極めて小さいので、現実的には③が一番良いかも。
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