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神のゆらぎのtdswordsworksのレビュー・感想・評価

神のゆらぎ(2014年製作の映画)
3.8
「飛行機が墜ちるのは、全知全能の神がいないからだ」
この言葉は2度登場しますが、それはいずれも、愛する人を失った者の喪失感から想起されたものでした。

飛行機の墜落を「神の思し召し」と捉える人もいます。信仰は、起きたことに意味付けをすることによって正当化され、強化されるのです。その点では、無神論だって一つの信仰と言えます。
あまりにも理不尽なできごとに遭遇したとき、人は何らかの意味付けをします。事実自体にはあまり意味はなくて、人間による意味付けの差異こそが「神のゆらぎ」なのでしょう。

主人公の看護師が直面した事実に対しどんな意味付けをするのか。そして、本編に描かれてはいないけど、罪を犯した者が救われたということが明るみになったとき、市井の人々がどんな意味付けをするのか。とても興味を引くラストでした。
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