夜のローマの街からスイスの高級ホテルに舞台を移し、ソレンティーノの映像美が冴えわたる。
引退した指揮者を演じるマイケル・ケインの空虚感と新作にしがみつく映画監督を演じるハーヴェイ・カイテルがセレブが集う高級リゾートで「人生の喪失」と直面していくが白昼夢かと思える程、美しい情景が続いていく。
そして厚化粧の大女優にジェーン・フォンダの存在感。
父の愛情に飢えている娘をレイチェル・ワイズの葛藤。
この2女優の迫力も素晴らしい。
途中、マラドーナ(追悼😢)を彷彿とさせる太り切ったサッカー選手も避暑地で過ごしているが、肉体は衰えても空にサッカーボールを高く高く蹴り上げリフティングするシーンも印象的。
そして今回は、音楽家が主人公なだけに、前作よりもエモーショナルな音楽がクライマックスにかけて響き渡り、まさしくオペラティックな体感で、最後までソレンティーノの美学を堪能し尽した✨