主人公のバストショットにしかフォーカスしない手持ちカメラでスタンダードサイズ、世界をあえてボカして狭めて直接描写を周到に避ける演出。要はおっさんがオロオロしてる様を延々見せられる訳だが現場はホロコーストだというのが胆。手持ちを使って収容所にいる感覚を狙ったのに世界を見せないっつーのはあまりにどっちつかずで甘いと思うんだが。だって結局残酷描写はチラ見になって逆に気になるし、そこをフォーカスしないのはプロダクションの努力をないがしろにしてるようなもんじゃないかと。ラストが嫌いじゃないだけに逃げたような印象が拭えないのよ。