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サウルの息子のTaTのレビュー・感想・評価

サウルの息子(2015年製作の映画)
3.8
単焦点でサウルを追い続けるカメラとピントの外の残虐な行為。
尊厳との闘いを徹底して一人の世界を通して描ききるカメラワークに尽きるかな。
ぼやけた周囲の世界は生々しい残虐さと常に隣にある死を示し続けてくれるし、サウルに合わせた視点は現実との距離とただ愛のために奔走する一人の父親の姿を見せてくれる。

でも、粛々と流れる悲劇的映像には少し物足りなさも。もっと加害者側の醜悪さを描いてくれればなお良かったかも。あまり響かず。
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