たてぃ

サウルの息子のたてぃのレビュー・感想・評価

サウルの息子(2015年製作の映画)
4.5
映画館で観るべきだったと後悔しました…それくらいカメラワークと音声が素晴らしかった…

アウシュビッツでユダヤ人をガス室へ送り、その後死体の処理&灰を川へ捨てる特別な労務を任された「ゾンダーコマンド」が主人公。そんなある日、自分の子供らしい死体を発見し、ユダヤ式で埋葬するために奔走する物語。

カメラワークですが、主人公の視点、そして主人公の真横、ひたすら主人公を追っかけるかのような手法でした。それだけに緊迫感がハンパなかったです。特に印象的だったのは、ナチス親衛隊の隊員を直視出来ないため、隊員の顔があまり映らなかったところ…それだけ怖かったんでしょうね…

そんな彼の周りでは、絶望的な状 況の人たちの叫びが聞こえ…ガス室へ送り込まれた人たちの悲鳴、班長や親衛隊による罵声などの音声…まさに地獄絵図…こっちまで怖くなっしまいました…

また、作品の中ではハンガリー語やドイツ語だけでなく、様々な言語が飛び交う光景も見られます。それだけ多くの国籍の人たちがいたことも分かります。全員英語にしてしまうどっかの国の映画とは違いました。まさに音声による臨場感…

「炎628」&「野火」同様、戦争の恐ろしさを知るには究極の作品です。
たてぃ

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