みーちゃん

ロブスターのみーちゃんのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
2.0
とても期待して観たが、ほぼ全編に渡って微妙だった。必然的な微妙さではなく偶然的なやつ。テーマや世界観を感じない。

その中でも残念なのは、中盤の見せ場であるホテルの支配人夫妻を襲撃するシークエンス。独りで生きられないのはどっち?(オブラートに包む必要もないと思うから、はっきり言うと)つまり、二人のうち一人だけ生き残れるとしたら、どちらを選ぶ?と問いただす場面。

あの場面で夫にしか回答を求めなかったこと。あれは絶対に妻にも問うべきだった。で、二人の回答が一致したときこそ、まさしく本質的な悲劇と喜劇、問題提起なのに。それを夫の回答だけ一方的に聞き出してドヤ顔で立ち去る小娘リーダーと、夫の回答に怒り狂う妻を見て、この作品のゴール設定の低さ、脚本の浅さを感じた。

一つだけ流石だったのはコリン・ファレル。途中までは冴えない風貌で微妙な佇まい(これは計算された微妙さ)だったのが、LOVE要素が注入された瞬間、作品全体が華やかに、生き生きとして見えた。

ショッピングモールで、互いの好意を密かに確かめ合いながら、日用品を買うシーンはセクシー全開だった。