Drエメット

ロブスターのDrエメットのネタバレレビュー・内容・結末

ロブスター(2015年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

とても不思議な映画だった。
寓意に富んだ、気持ち悪い映画。

リアリティのあるハンガーゲームみたいな感じもした。あとは世にも奇妙な物語とか、フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズとか。
大きく二つのシーンがあった。

・結婚しないと動物にされるホテルのシーン
動物にされるやり方が、なんらかの手術なのが気味悪い。魔法的ななにかじゃないのか。
哺乳類は特殊な処理がいる、みたいなのも気味の悪さがあった。哺乳類よりロブスターになる方が大手術な気がする。
寓意を読み解くと、監視社会の気味の悪さとか、マッチングアプリへの風刺みたいな感じかな。好きだから結婚するとかじゃなくて、結婚したいから好きを演じてない?という問題提起もあると思う。
結婚できない人が動物になるっていうのはさらに批判的。独身者を社会は受け入れません、独身でいるなら社会から外れた動物です、というような。
もっともっと、そんなに語られることがなかったような、でもみんな心のどこかで感じていたような結婚制度そのものへのいろんな批判を取り込みまくっていた気がする。

・独身主義のサバイバルのシーン
こちらは逆に、独身こそ至高!リア充しね!みたいな集団。極端。カップルが成立しそうになると全力で阻止してくる。こわい。
なんか、元々はカップル成立を強制してくるということ自体に反発していた集団だったのに、そのうちカップルそのものに反発するようになってしまったんだろうなと想像できる。本来の目的を失う宗教。
まあ、こういう集団ってあるよなって感じとする。抜け駆けするな!みたいな。
近視好き、という特殊性癖。
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