いかちき

ロブスターのいかちきのネタバレレビュー・内容・結末

ロブスター(2015年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

「聖なる鹿殺し」でなんだこれはと思って「ロブスター」も観たかったので観た。
なんなんだこれは。

独身者が送り込まれるホテルと逃げ出した森は美しい。でもどことなく現実的でなく冷たい。
45日以内にパートナーを見つけないと動物に変えられてしまうという設定は笑えばいいのか泣けばいいのかよく分からない。
コリン・ファレル演じるデヴィッドが選んだ動物がロブスター。
それがタイトル?と微妙な笑いが漏れる。
パートナーがいない時、いる時の551のCMみたいな寸劇も馬鹿らしくてしらーっとなる。
独身者同士に狩りをさせて期日を伸ばしたり、デヴィッドがホテルに連れてきた犬が兄で薄情な女に蹴り殺されたり、なんでトースターで手を焼くのとかなんでメイドがシモの世話をするのとか全然笑えない。
笑えないけど、たぶん自分の中のどこかに結婚だとか恋愛のために右往左往する人をクスッと笑ってしまう要素を見つけてしまう。

森に逃げ出してからもデヴィッドが馬鹿みたいでかわいそうともがんばれとも思えなかった。
レア・セドゥは氷の女みたいに美しいけど好きにはならないよね。そりゃそうだ。
それでも近視の女と上手く逃げ出せればいいなと思ったけれど、なぜ同じ傷を持たなければならないのか。

音楽が始終大仰でちょっとうっとおしい。
でも嫌いではない。
ヨルゴス・ランティモス監督なんなんだ。
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