HAYATO

ロブスターのHAYATOのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
3.4
2023年477本目
1月に話題の新作『哀れなるものたち』の日本公開を控える奇才・ヨルゴス・ランティモス監督作
個人的にドゥニ・ヴィルヌーヴと同じくらい名前の響きが好きな監督
独身者は身柄をホテルに送られ、そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、動物に変えられてしまうという、近未来を舞台にした奇妙な作品。
凛々しい眉毛がチャーミングなコリン・ファレルが主演を務め、レイチェル・ワイズ、ジョン・C・ライリー、ベン・ウィショー、ジェシカ・バーデン、オリヴィア・コールマン、レア・セドゥといった錚々たる面々が脇役に名を連ねる。
ヨルゴス・ランティモス監督の作家性が存分に発揮されていて、いい意味で変態的な世界観に魅了される。
奇想天外な設定ながら、社会でこれまで当然と思われていた価値観や固定観念を皮肉り、揺るがすような作品になっている。
カップルが成立する条件を「共通点がある」ことに限定している点が面白く、意中の相手と結ばれるため、無理矢理共通点を作り出そうとする姿は実に滑稽。
色々な想像が膨らむラストは味わい深く、その後どうなったのか気になるキャラクターがたくさん。
リクルートブライダル総研の調査によると、今年、日本の20代の未婚男性のうち、今まで一度も異性と付き合ったことがない人は46%で過去最高となったらしいので、もしも日本で「独身が罪」になったら、瞬く間に日本が動物だらけになりそうだ。
主人公のデヴィッドはロブスターを選んだけど、自分が何の動物になりたいか?と問われれば、ラッコを選ぶ。
HAYATO

HAYATO