このレビューはネタバレを含みます
今までの人生で得た趣味、嗜好を全て剥ぎ取られ均一化され、安っぽいものを身に纏わなければならない。その段階で無理だと思った。
最初に支給されるものは狩りの銃と矢。
カップルでなければ人間としての人権は認められない。独り身は狩りで捕まえられる。人間とはなんなのか?何を人間たらしめているのか考えさせられた。
開始5分からずっと不気味で気持ち悪い。
男女の固定観念も気持ち悪さをより増強させていてしんどい。
ダンスシーンでも皆同じ服を着ていてどんな基準でパートナーを探しているのか、きっかけがなんなのか全部均一化されているから適当に選んでいるようにも見える。まぁ顔がいいとかの基準はあるかもだが。無理に作られた出会いの場で適当に会話して適当に相手を作る。現実世界だってロマンチックなことなんてなくて、たまたま出会っただけのやつと適当に恋人関係になってるんじゃないかとか思った。
でも相手に無理に合わせると崩壊する恋愛関係とか端的に表されていて良かったな。
共通点だけでしか繋いでおけない関係性に疑問、入りとして共通点が仕事することはあってもそこからの関係性は違いも受け入れつつなのでは?むしろその違いがないとつまらないと思うのだが。譲れないポイントはあれど、基本人は違うので共通点だけで関係性を維持するのなんてリスキーすぎ。
後半からはガラッと雰囲気が変わる。
2人は近視という共通点があったが、そんな共通点にこだわらなくてもパートナーとして生きていけたのではないか?そう思った。
現実世界だって音楽の趣味とか諸々、共通点があることが美徳とされているところがあるが、そんなものどうでも良くないか?最後のシーン彼は失明という共通点を選んだのか、それともロブスターになったのか、、
そんな2択を自らに課さなくても、2人は支え合うことができたのになぁ…?