かわちゃん

ロブスターのかわちゃんのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
4.7
ヨルゴス・ランティモス監督の旧作をリバイバル上映してるなんて、さすがシネ・リーブル様々。
未見の2015年作品をせっかくですので、スクリーンで堪能。
結果、女王陛下~や哀れなるものたちへ続く、ランティモス世界の源流の一つでもあるんだなと納得。
バジェットの制限あれど、それをうまく逆手にとり、自然豊かなホテルと近未来的都市部を舞台に、時代感も不明にシュールでディストピアな未来の愛と家族像に。
不協和音な音楽、能面的な無表情さ、シュールな設定と物語、徹底的な映像設計。でも根っこにあるのは、愛情・家族・性といった普遍的な素材を、ランティモス的に表現するとこうなるってことなんでしょうね。
くせになります。
ラストの衝撃の展開は、今は亡きキム・ギドクの映画あたりとの類似性もありだなと思ったのですが、そうか春琴抄で谷崎か。